引きこもりから利用できる就労支援は？

日本では国や地方自治体による複数の就労支援が用意されています。
就労支援とは何らかの理由によって働くのが難しい場合に、就職や会社勤務へのサポートを行う制度です。
この就労支援は引きこもりの方でももちろん利用可能ですが、その人の状態によってはさらにさまざまなサポートを受けることもできます。
就労支援について詳しく説明しましょう。

引きこもりの方を対象にした就労支援とは

ここでは引きこもりの方を対象に就労支援を行っている事業所やサービスを紹介します。
また、「就労支援」と似た言葉に「就職支援」がありますが、こちらは就職のみを支援しており、自立面はサポートしていないので注意が必要です。

ハローワーク

ハローワークは厚生労働省の運営する総合的雇用サービスであり、仕事を探している方にさまざまなサポートを無償で提供しています。
求人の紹介はもちろん、失業給付の受付や職業訓練の相談、就職活動のセミナー、そして就労支援も行われています。
ただ、幅広く一般の方を対象としているため、引きこもりから社会復帰を目指しているなど何らかの事情があった場合には少々ハードルが高く感じることもあります。

地域若者サポートステーション

地域若者サポートステーションは厚生労働省が各都道府県に設置している機関で、通称「サポステ」とも呼ばれています。就労に悩みを抱えている方へのサポートを行っている機関ですが、名称に「若者」と入っているように、15歳から49歳までと利用できる年齢に制限があります。

注意点として、このサポステではコンサルタントによる相談やコミュニケーションの訓練、パソコン講座などの「就労支援」が受けられるのであって、「就職支援」は扱われていないということです。つまり求人の紹介などは行われていません。

ジョブカフェ

ジョブカフェも若者のための施設ですが、地域若者サポートステーションよりも対象年齢の幅が狭く、原則的に15歳から34歳までの若者に対し就労支援を行っています。
また、その主体を都道府県が担っていることもあり、より各地の特色を活かした就労支援が実施されています。職業紹介・職業相談、就職セミナーや職場体験のほか、カウンセリングがワンストップで受けられるのも特徴です。ジョブカフェは地域によってはハローワークが併設されていることもありますので自分に適しているところを利用してみてください。

引きこもりの原因が障がいや疾病にある場合

引きこもりに至った原因が障がいや疾病にあった場合は、一般の方を多く受け入れているサポート以外にも次のような支援を受けられます。

就労移行支援

就労移行支援は障がいや難病を抱えている方が一般企業への就労を目指す際に利用することができます。
就労に必要な知識やスキルを身につけるためのトレーニングを行い、さらには就職が決まったあとも職場に定着できるようにサポートを継続して受けられます。
障がいや難病を抱えながら就労を目指す方には心強く思える支援ですが、主治医による診断を受けており、かつ65歳未満でなければ対象にはならないという条件があります。

就労継続支援

「就労継続支援」は障がいや難病を抱えているため一般企業などで働くことが困難な方に、実際に就労の場を提供している支援です。働くために必要な知識やスキルを学ぶ「就労移行支援」とはまた異なっています。
さらには、就労継続支援にはA型とB型があるのも特徴です。
A型は一般企業で働くことは困難でも、雇用契約に基づき就労できる場合に利用されています。
一方、B型では雇用契約を交わすことなく、障がいや体調に合わせて働けます。就労を目的とせず、生活のリズムや自分のペースを整えたいという理由でも利用できます。

障がい者手帳を持っていない方も利用可能

ここまで紹介してきた「就労移行支援」と「就労継続支援」は、障がい者手帳を持っていなくても受けられる就労支援サービスです。
ただし、「就労移行支援」も「就労継続支援」も、受けるためには書類や受給者証などを必要とします。
どの就労支援を利用するのかまずは選び、その支援を利用できる施設へと行ってみましょう。場合によっては自分が選んだものよりもほかの支援や施設が合っていることもあります。じっくりと相談に乗ってもらいましょう。

まとめ

一旦、引きこもり状態になると、仕事に就きたいと思ってもハードルが高く思えてしまうものですが、さまざまな就労支援を利用することで足がかりを作ることができます。
さらには、引きこもりの原因が障がいや疾患である場合には支援の数も増えます。まずはどんなサポートを受けられるか、ぜひ確かめてみてください。

大垣市の就労支援に関するQ＆Aについて